土屋鞄さんのランドセル。。。いや、ほんとすごい会社さんです。
ランドセルのジャンル分けに新たにおしゃれな工房系というジャンルをつくり(厳密にはつくってないですが)、市場の囲い込みをしっかりとしてブランディングもしっかりとしている。
まさにSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)!!
マーケティングのお手本という会社と言っても過言ではないのでしょうか。
実際自分もここが出てきた時には、すごいなー。やられたな。という気分でした。
さらにすごいのが、Instagramを黎明期からしっかりと活用しているのがすばらしい。
よく土屋鞄さんはほんとにお手本として紹介されていることも多々ありますね。
でもほんとにすごいのは、ほとんど製造委託なのにランドセルを自社で全部作ってる感じだしているところがすごい!!手縫いはほとんどないけどなんか手作り感だしているのもすごい!!
古いランドセル問屋、小売会社には、目から鱗だったと思います。
え?皆さん知らなかった??
まぁそうですよね。工房見学とかで見ました!という方もいますから中々信じられないですよね。
上手く魅せていますからねー。
ただ、勘違いしないでほしいのは製造委託は悪いわけでは、全くありません!!
土屋鞄さんはこだわりが強く、しっかりと自分のブランドにあった製品を依頼しています。
そのため、指示や品質条件も厳しいので委託請負会社さんがよく泣いてますよね。。。w
それぐらいしっかりとこだわりを持って製造委託していますし、デザインや店内の雰囲気からWEBの雰囲気も一気通貫してブランディングされているからこそ土屋鞄のランドセルを工房系ランドセルの代表格になられたのかと!
ほんとにランドセルメーカー社員としてではなく、”マーケッター”としては尊敬しています!
土屋鞄さんがよく売り切れを早く出しているのは、マーケティング的に戦略でもあるかもしれませんが製造委託をしているからというのもすこしあるのかも知れないと思っています。
製造委託は他社さんで作ってもらう分、急に数を増やしたりすることなど融通が自社で作るより効かないんです。
もちろんランドセルの生地やパーツなどの準備に時間がかかるということもありますので、一概にそれが理由とは言えません。
たぶん感じているかもしれませんが、あまり工房系が私が好きではないと感じている方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。。。
・・・。そうです!私は工房系と巷で言われているランドセルが基本的に好きではありません!!w
べつの記事でも詳しくは書いているので、この記事では工房系ランドセルの代表格である土屋鞄さんのランドセルが個人的に残念と思う点を書いていきますね。
①ランドセル選びを早くさせた大罪
自分の知る限り、ランドセル選びを早くしないといけないという昨今の流れの要因の一つになったのが、土屋鞄のランドセルが売り切れが早く起こることです。
これは、土屋鞄さんだけではなく、ランドセル業界に属するほとんどの会社も加担しているのですが。。。ランドセル選びを早くさせて自社のランドセルにお客様を囲い込む行動が年々ひどくなっているんですね。
幾度となく記事でも書いていますが、年中さんや年長さんなりたてはまだまだ成長するし、なんならランドセルが大きすぎる、背負えない年齢にランドセルを選ばないといけなくなってしまうのはおかしいと思っています。
お子様のことをほんとに考えるなら企業努力で選んでもらえる期間をできる限り長くしましょうよ。。。てところなんですねー。
これでもほんとに難しい。。。マーケティング、企業の施策としては一概に間違いではないんですよね。
②大人のエゴを刺激しすぎ=お子様のためではない
そもそもですが、本革・コードバンはランドセルにおいて大人のエゴでしかないと思っています。
お子様にとっていいことありますか??ないですよねw
まぁ、土屋鞄ランドセルの売り上げの半分以上が人工皮革系のランドセルなので、ここはおいといて。
背あて、背カン、錠前など機能面が残念なのにランドセルが重たい。。。
なんでこんな機能ないのに重いんだ。でもお値段はいい感じに高い。。。
大人のエゴを刺激するのはマーケティング的な戦略としてはいいんですが、最終使用者のお子様が6年使うことをもう少し考えてくれたらなと。
③手作り工程少ない&製造委託なのに職人感
職人の定義はおいといて、ランドセルメーカーにいた自分としては、工程もそんな大手メーカーと変わらないのに職人感だされてもっていうのが正直な所です。
オシャレさに嫉妬も多分にあるが。。。w
まぁでもこれは、ほんとにブランディングが素晴らしすぎて、普通の方は分からないですよね。w
だまされ・・・じゃなくて魅了される方も多くて当然だと思います!
とはいえ、前述のとおり土屋鞄さんのランドセルはこだわりをもっているブランドなので、デザインは素晴らしいと思います!
ランドセルという見た目だけでいうと1,2を争うこだわりのデザイン性ではないでしょうか。シンプルなのに、美しい外観はさすがと言わざるを得ません!
何回も言いますが、企業(利益を上げる)として、マーケティングとしては素晴らしい大正解でしょう。
©元ランドセルメーカーのベテラン社員一人語り